西口西武、浮上の兆し

 4連敗と最悪のスタートを切った西口監督新体制の西武だが、その後は5勝3敗と持ち直してきた。最下位の定位置から4位タイまで浮上。ここ3カードは昨季王者のソフトバンクに敵地で2勝1敗、苦手としたロッテに1勝1敗、昨季2位の日本ハムに敵地で2勝1敗と二つ勝ち越した。

 15日からのオリックス戦でようやく5球団が一回りする。ここまで10勝3敗と首位を快走する好調な相手だけに、西武は今の力が試される。

今井、隅田が柱の投手陣

 先発陣が今井達也、隅田知一郎を中心に引っ張る。終盤の勝ちパターンは、まだ不安定さが残るものの、佐藤隼輔やウィンゲンター、甲斐野央から守護神平良海馬に繋ぐ形に固まりつつある。

 序盤の楽天戦の雨天中止に伴い、ローテーションが再編され、当初は分かれていた今井と隅田が2戦続く形に。今井は打線の援護に恵まれずに1勝1敗ながら、3試合の登板でリーグトップの防御率0.75と圧巻の数字を残す。隅田も2戦2勝でリーグ2位の防御率1.20と素晴らしい。2人が盤石なだけに、別のカード頭となっている高橋光成の復調は大きな鍵を握っている。

 勝ち負けはつかなかったが、前回登板の8日はロッテを相手に5回1失点と粘りの投球を見せただけに、15日のオリックス戦で自身の連敗を「12」で止めたい。正捕手古賀悠斗とのバッテリーの呼吸にも注目される。5月になれば昨季新人王の左腕武内夏暉が戻ってくるだけに、各先発投手は生き残りをかけての登板にもなってくるはずだ。

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 チーム防御率は3.20でオリックス、日本ハム、ロッテに続いて4位の成績。6日のソフトバンク戦で渡邉勇太朗が炎上するなど11失点、8日のロッテ戦で中継ぎ陣が打ち込まれて7失点を喫したが、概ね2、3失点に抑える試合が多い。打線としては、勝利をつかむためにやはり3点が一つの目安となりそうだ。

リーグトップの13盗塁

 昨季はチーム打率.212と断トツ最下位の要因となった打線。今季はここまで.233と改善傾向だ。ロッテの.214に次いで低い数字ながら日本ハムの.234、楽天の.240とは大差がなく、著しく低いとは言えない。ただ、離脱したルーキー渡部聖弥が18安打で打率.429と打ちまくってけん引したのが大きく、他の主力の奮起が求められる。

 本塁打は4本で、これも楽天の2本に次いで少ない数字。セデーニョに移籍後待望の一発が出たばかりで、今後は量産が期待される。

 盗塁はリーグトップの13。西川愛也がリーグ2位の4盗塁で、源田壮亮と長谷川信哉も3位タイの3盗塁を記録。特に西川と源田は成功率100%。長打が少ないだけに、一つでも塁を進めることは効果的だ。ここまで確実性に欠ける犠打を含め、今後は盗塁、進塁打とともにチャンスを広げ、単打でも確実に得点を積み重ねる形を増やしていきたい。

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