埼玉西武ライオンズは2日、楽天モバイルパーク宮城で予定された東北楽天ゴールデンイーグルス戦が、雨天のため2日連続の中止となった。このカードでは、広島・広陵高校時代のチームメートで、今季ルーキーにして開幕スタメンを果たした2人が再会した。西武のドラフト2位・渡部聖弥外野手と、楽天のドラフト1位・宗山塁内野手だ。
甲子園出場、大学で開花
強打を誇る2人はともに2年春の選抜高校野球大会に出場し、2回戦で敗れた。3年の時は新型コロナウイルス感染拡大により、公式戦が中止に。独自開催の県大会は準優勝だった。寮でも同部屋だったという2人は、別の道に進んだ大学で花開く。
渡部は大阪商業大で、関西六大学リーグ新記録となるシーズン5本塁打、歴代最多タイの通算119安打をマーク。ドラフト1位候補で、ウエーバー方式で前年最下位の西武が最初の選択権を持つドラフト2位で指名された。
一方の宗山は、明治大で1年春から遊撃手のレギュラーとして定着し、2年春には首位打者に。けがに見舞われながらも、東京六大学野球で歴代10位タイとなる通算114安打をマークした。大学生屈指となる攻守を備えた内野手として、ドラフト1位で西武を含む5球団競合の末に楽天に鳴り物入りした。
開幕3連戦で上々デビュー
2人はともに開幕1軍を勝ち取り、渡部は5番レフト、宗山は2番ショートと打線の上位で先発。渡部は第2打席にプロ初安打となる左前打を放ち、続く打席でも中前打。宗山は1点を追う九回の4打席目で、初安打がライトへの同点タイムリーに。ファンの心に刻むデビュー戦となった。
ともに3試合連続で先発し、ヒットを続ける。渡部は2戦目のタイムリーを含む5安打で.455の好打率をマーク。宗山も3戦目のマルチ安打を放ち、4安打で.286と上々のスタートを切った。
ルーキーながら漂う風格
すでにルーキーとは思えない風格を漂わせる2人。再会時の渡部のコメントも頼もしい。同級生の宗山を冷静に称えた上で、「戦うべきは投手」と語っている。3連戦でも打っても派手に喜ぶ姿は見せず、試合に集中している様がうかがえた。
低迷するチームにあって、志の高い新戦力の加入は、近年固まらなかった外野手の1枠を埋める以上の価値がありそうだ。
「自分が闘うべきはパリーグの投手であって、パリーグの同級生の野手ではないので、まずはパ・リーグの投手をしっかり打てるように準備していきたいと思います」

コメント