西武なぜ強い?投手編

データ

 ついに首位日本ハムと0.5ゲーム差に迫った西武。まだシーズンの3割程度を消化したところだが、23勝18敗の貯金5と好位置につけている。昨季は49勝しかしていないため、すでにその半分の勝利数を稼いでいることになる。最大の要因はパ・リーグトップの防御率を誇る投手陣にある。

今井、別次元の領域

 もはや日本球界で別次元の域に達しようとしている。西武の投手陣を強力に引っ張る今井達也だ。登板すれば毎度7回以上を投げ、開幕戦の9回2失点を除くと無失点か1失点と抜群の安定感を誇る。

 今季は上半身を脱力したようなフォームから腕を振り、勝負どころで150キロ台後半の速球を連発。8試合に登板して61イニングで防御率は0.59。奪三振数はイニングを上回る64をマークし、タイトルを得た昨季に続いてリーグトップを走っている。四死球も18にとどめ、制球力も高まっている。

 打線の援護が少なく勝利数はまだ4にとどまるものの、今後は伸びていくはずだ。毎週金曜に対戦する相手はほとんどホームを踏めないと覚悟しているだろう。

月間MVPで殻破る隅田

 最高のスタートを切ったのが左腕隅田だ。雨天の影響で今井に続く土曜日の登板に回ると、開幕から無傷の4連勝。力強い速球を軸に、落差の大きい変化球を織り交ぜた制球力抜群の投球で打者を手玉に取った。

 3、4月の月間MVPを初受賞。直近の登板では九回につかまってリリーフが打たれ、2敗目を喫したものの、7ー9回を当たり前のように投げるスタミナも身につけたのは大きい。防御率1.33は今井に次ぐ堂々の2位につけている。

先発ローテ争い続く

 強力な2本柱に続こうと奮闘しているのが技巧派左腕の菅井信也と本格派右腕の渡邉勇太朗らだ。

 菅井は今井に並ぶ4勝を挙げたばかり。規定投球回には達していないが、防御率2.03と好成績を残している。渡邉は7試合に先発して2勝3敗ながら、規定投球回に達して防御率3.19と及第点の成績。一度登録を抹消された以外はローテーションを守り、直近3試合はすべて7回を投げて2失点以下。前回は7回無失点で勝利を挙げた。

 高橋光成は前回こそ打ち込まれたが、ここまで2勝とトンネルの出口は抜け、復調の兆しはある。さらにサブマリン與座海人が2試合で12回を無失点。再び好投が期待される。

平良を軸に中継ぎ陣充実

 今季抑えに回った平良海馬が、ここまでリーグトップの11セーブと大きな働きを見せている。今井の勝ちを消す痛い失敗もあり、完璧な投球とは言えないが、重圧のかかるポジションを初めて任されるシーズンで、その役目を十分にまっとうしている。

 セットアッパーにはウィンゲンターがはまった。17試合に登板して12ホールドで防御率1.08。奪三振数はイニングの1.5倍程度の24を記録し、力でねじ伏せている。

 このほか、12試合に登板して防御率1.54と復活の様相を見せる剛腕甲斐野央、今季デビューから13試合無失点を続けて勝ちパターンにも起用されるようになった山田陽翔をはじめ、多士済々の布陣がそろう。昨季より一段と厚みを増したリリーフ陣も、ここまでの健闘ぶりに大きく貢献している。

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