滝澤が急成長、打線の潤滑油に

データ

 西武で高卒4年目の22歳、滝澤夏央が今季、殻を破ろうとしている。ここまで29試合に出場して63打数16安打2打点、打率.254と打力が向上。四球を九つ選び、出塁率は.347と奮闘している。6犠打に4盗塁で、小技と機動力も発揮。現在20試合連続で先発を続け、直近6戦は、打線で固定できていなかった2番打者として、潤滑油となっている。

高卒1年目から1軍経験

 新潟・関根学園高校から2021年の育成ドラフト4位で入団。球界最小の身長164センチながら、辻発彦監督に高い守備力と走力を評価され、1年目の22年に支配下登録を勝ち取ると、源田の離脱時などに48試合に出場して打率.224を記録。2年目は2軍中心に経験を積んで出番は16試合に減ったが、3年目の昨季は再び出番が増え、打率は.186と苦しんだが、いずれも自己最多の68試合出場、22安打、3盗塁を記録した。

抜群の守備力で盛り立て

 今季はチームでセカンドが固定されない中で、4月中旬にスタメンのチャンスを得た。直後に源田が負傷離脱し、9番ショートとして定着。ミスで敗れた試合もあったものの、俊足を生かして素早い打球判断と送球による好守でアウトを量産し、リーグトップの投手陣をバックで盛り立てた。

 5月5日からのソフトバンク3連戦、9日からのロッテ3連戦ではいずれも2番で先発。直近3試合は源田が復帰してショートの定位置についたが、セカンドに戻っている。源田と同じタイプの巧打者でパワーはさらに落ちるものの、もともと長打力が不足する打線にあって、自身の出塁または進塁でチャンスを広げる役割を期待されての起用だろう。

実戦経験増え打球に強さ

 やはり1軍で連続出場して実戦経験を積むと、成長速度が増しているようだ。10日は第2打席で三塁線へ絶妙なバントヒットでチャンスを広げ、第4打席はライトへ鋭い打球を弾きかえし、だめ押しのタイムリーツーベース。2安打1打点で、四球を含めて3出塁。翌11日もヒットに四球、犠打を記録し、1番西川愛也から中軸へうまく繋ぐ形に。トップレベルの球筋に慣れ始めたことで選球眼、犠打の確実性が増しているほか、何より打球に強さが出るようになり、徐々に長打力も期待できるようになった。

 2番を滝澤が担うことで、負担が減る7番を担った源田は復帰後の3戦で11打数6安打と絶好調。11日は猛打賞をマークし、2人の相乗効果でここ2試合で17得点を生む要因となっている。現在4連勝中で二遊間の守備も安定しており、しばらくはこの打線の形を維持することになるだろう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました