西口西武、健闘の戦いぶり

11試合連続先制、打線堅調

 直近で2シーズンぶりの5連勝を遂げ、昨季とは違う戦いを見せ始めている西武。明らかに異なるのが打線の先制攻撃だ。その最大の原動力は1番西川愛也の成長だろう。

 初回を中心に序盤で先制する場面が増えている。初回の得点は4試合連続で、先制点は11試合連続。追加点が取れないことが続いてこの間に4連敗も挟んだが、その前後は4連勝、5連勝といい流れが続く要因にもなっている。

 オープン戦でも形ができつつあったが、西川が出てネビンが返すパターンがお決まりに。ここにルーキー渡部聖弥が加わり、けがで一度戦線を離脱も、復帰後は勢いが衰えるどころか、3番に定着すると連日のタイムリーを放って勝負強さを見せつけた。

 本塁打数はわずか7本とパ・リーグで断トツ最下位ながら、ヒット自体はよく出ており、打率は.244でオリックス、ソフトバンクに次いで3位。中盤以降はチャンスであと一本が出にくいだけに、序盤のような攻撃を繰り返せれば理想だ。また、複数得点のイニングを増やすなどコツコツとつなぐ野球ができれば、得点数ももう少し上がってきそうだ。

一方でホームランの増産はやはり必要で、2軍で調子を上げている主砲セデーニョの復活、さらには今季こそ開花が待たれる渡部健人、まだ育成契約ながら2軍で1試合3発を放った仲三河らの台頭が待たれる。

充実の先発陣、補強の中継ぎ陣

 投手陣は先発、中継ぎともに層に厚みを増した。投高打低の傾向は顕著ながら、防御率2.33は12球団トップの立派な数字だ。

 昨季も柱となった今井達也、隅田知一郎は今季さらにパワーアップ。ともに防御率0点台半ばと圧倒してリーグ1、2位を占め、日本を代表する左右の投手となりつつある。ここに渡邉勇太朗が開幕からローテーションを守り、新鋭の左腕菅井信也が台頭。高橋光成が連敗を13でストップした。

 ここにサブマリン與座海人が初先発で好投し、今季出遅れていた昨季新人王の武内が今月にも復帰見込みと、明るい材料がどんどん増えている。

 リリーフ陣では、今季抑えに転向した平良海馬がここまでリーグトップタイの6セーブと、ピンチをつくってもしっかり要所を締める働きを見せている。

 そこにつなぐのがセットアッパーの剛腕ウィンゲンター。身長201センチから投げ下ろす速球は迫力があり、奪三振率も高く、相手打線にとっては脅威の存在だろう。

 七回は甲斐野や佐藤隼あたりに安定感が出てくれば勝利の方程式が完成する。今季は山田がデビューから7試合連続無失点と頼もしい活躍。ポテンシャルはピカイチの左腕羽田も少しずつ経験を積み、徐々に大事な場面を託せるようになりつつある。

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