イースタン・リーグで29日、西武の仲三河優太が、オイシックス戦でサイクル安打を達成した。5番指名打者で先発し、4打数4安打7打点と大爆発。プロ5年目、育成契約の22歳の大砲について掘り下げる。
活躍の軌跡
まずは偉業を達成した試合を振り返る。初回、先発の創価大出身右腕、安城に対し、2死一、二塁から右中間へ3ランホームランを放った。三回は四球を選び、山村の3ランにつなげた。五回の第3打席では、立正大出身の右腕山下からライトへ二塁打。この回に打者一巡すると、続く打席は2死二、三塁からタイムリーヒットを放ち、一挙8得点のビッグイニングに貢献した。
七回の第5打席は再び四球。最後の打席は九回。聖光学院高出身の右腕高野に対し、1死二、三塁からセンターへ2点タイムリースリーベースを放った。最もハードルの高い三塁打を最終打席で放つ勝負強さを見せ、サイクル安打を遂げた上、四球二つと6打席全出塁で、19得点の大勝に導いた。
今季の成績
背番号135は今季、2軍で27試合に出場し、打率.311、32安打で7本塁打25打点と活躍を見せている。二塁打も9本放ち、長打率は.621で出塁率と合わせたOPSは.982と圧巻の数字を誇る。
4月15日の日本ハム戦では、1試合3本塁打をマーク。初回に先制ソロ、五回に勝ち越しソロ、七回にも2打席連発となる2ランを放った。
得点圏打率も.441と勝負強さを発揮。打力ではすでに育成契約の枠を超えていると言えるだろう。
苦難のプロ生活
栃木県出身で、180センチ、100キロの右投げ左打ちの外野手。西武では中村剛、浅村、森らを輩出した大阪桐蔭高出身で、2020年春の選抜高校野球大会出場を決めていたが新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、夏の甲子園交流試合では怪我のため代打での出場にとどまった。
同年にドラフト7位で西武に入団。全体重をぶつける意識のパワフルな打撃が魅力。2年目の22年には2軍で47試合に出場して9本塁打を放ち、23年にはオープン戦初打席で、阪神の左腕岩崎から、中村剛に続く代打2者連続ホームランと鮮烈な印象を残したが、1軍出場はなく、同年オフには戦力外通告の憂き目に遭った。
育成契約として再出発した昨季も3軍では活躍も2軍では打率1割台で2本塁打と結果を残せず。背水の陣で臨んだ5年目の今季、一気に才能を開花させ始めている。イップスによる送球難とも言われ、守備につけていないのが気がかりだが、打力だけでも1軍では大きな戦力となる。2軍で安定して試合に出場し、まずは支配下登録を勝ち取る目標を遂げてほしい。
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