3月28日のプロ野球今季開幕を前に、埼玉西武ライオンズは22〜31日の10日間、地上波でテレビCMを放映すると13日、発表した。TBSとテレビ朝日(関東地方)で流れるという。今季ブレークが期待される外野手の西川愛也と、昨季新人王の左腕武内夏暉という「西」「武」の若獅子コンビが登場。イケメンを前面に押し出しており、どちらかというと硬派な西武としては珍しく、新しい試みだ。放映に先立ち、同日に公式YouTubeで公開を開始。14日から各Web広告でも公開している。

動画は16秒。まず打席に立ち、バットを振る西川選手の姿が映り、「西川く〜ん!ああイケメンすぎる」との黄色い声に合わせ、ウインクしながら指を向けるポーズを取る。「ていうか、ここ選手との距離近くない?」と驚きの声が響く。続いて武内投手が登場。投球後に正面に視線を向け、「武内くんこっち見た?絶対見た!やば〜い‼︎」と興奮する声とともに、爽やかに微笑む姿が映される。さらに、観客席からのアングルで「圧倒的至近距離を体感しよう!」とPR。最後に球団マスコットのレオがアップで映し出され「めっちゃ見られてる」と声をそろえるというオチがつく。
CM出演の武内と西川、今季は投打の柱に
球団公式サイトによると、映像は撮り直しを重ねたといい、武内投手は「不安でしたが、良く仕上がっているなぁと思いました(笑)」とコメント。小学1年の時、選手を間近で見たくて球場を初めて訪れたといい「音や歓声がすごくて、すごく興奮しました」と振り返る。「ぜひ投球フォームの一連の動作にも注目して欲しいです!」と呼びかけた。
武内投手は2023年ドラフト1位で3球団競合の末に入団し、1年目の昨季は10勝6敗、防御率2.17と抜群の成績で文句なしの新人王を獲得。だが1月の自主トレ中に左肘内側側副靭帯の不全損傷を負い、全治2カ月の診断を受けた。開幕には間に合いそうにないが、先発の柱の一人になるのは間違いなく、早期復帰が待たれる。
一方の西川選手は「緊張しましたが、いつもと違う撮影で楽しかったです」と言う。大阪出身で西武の地元・埼玉の花咲徳栄高に進み、寮生だった頃にベルーナドームで観戦。「チャンステーマが流れた時に鳥肌が立ちました。この歓声のなかで打席に立ちたいと思って、そこからめちゃめちゃ練習をがんばりました」と懐かしむ。観戦の醍醐味に「迫力満点の応援」を挙げ、「僕の走攻守すべてを見て欲しい」とアピールした。
高校時代は大胸筋断裂の大けがを負ったが、鍛錬は実り、甲子園には春夏3度出場して活躍して3年夏には埼玉県勢初優勝に貢献した。2017年ドラフト2位で入団し、20年にデビュー。ちょうど新型コロナウイルスの感染が拡大した時期で、声援が解禁された23年、ようやく歓声を浴びる夢を叶えた。2020〜22年には59打席無安打のプロ野球ワースト記録に並ぶ苦難も味わったが、60打席ぶりの安打を放ったのも23年だった。主にセンターを担い、昨季は104試合に出場して71安打、打率.227で6本塁打とブレークの兆しを見せた。俊足と強肩も魅力で、今季は開幕から上位打線での定着に期待がかかる。
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