1点では勝てないー。そう先日の記事でつづったが、正確ではなかった。1点では勝つ可能性は低い。それでも、西武は三回に奪った1点を守り切り、5人による完封リレーで勝利。1点でも勝てることを証明した。今季の西武は打線の改善以上に、投手陣の盤石さが際立ち、ことごとく予想を上回ってくる強さがある。
菅井粘って4勝目
左腕菅井が、早くも今井と並ぶ4勝目を挙げた。5回を81球で被安打3、1四球で無失点。欲を言えば長いイニングを投げてほしいところではあるが、無失点でつなぐことは何よりの働きだ。慣れない盛岡の地方球場でも、先発としてしっかりと役目を果たした。
最大のピンチは四回に2死からヒットと四球で一、二塁とされたが、後続を断った。打たせて取る投球で、まだ余力を残したような形での降板となった。今回はこの早めの継投が吉と出た。
毎回走者背負うも無失点リレー
六回以降は、甲斐野、山田、ウィンゲンター、平良と勝ちパターンの投手をフルで投入。毎回ランナーを背負いながらも、しぶとく無失点で繋ぎ、1点を守り切った。
特に八回、前戦で敗戦につながる投球となったウィンゲンターが先頭でヒットを許した上に盗塁され、バントで送られて三塁に背負うピンチ。ここで辰己をファーストゴロで三塁走者の中島を刺すと、さらに四球を与えながらも、島内から空振り三振を奪った。
九回は平良がいきなり好調の村林にセンター前ヒットを許し、バントで送られて一打同点のピンチに。ここで代打鈴木に対し、暴投で走者を三塁に進めたが空振り三振。最後は宗山をサードゴロに打ち取り、1点差の勝利を収めた。ピンチを背負ってもリードを守り切るのが抑えの役目と言わんばかりの投球で、リーグトップで2位の田中(日本ハム)に3差に広げる11セーブ目をマークした。
滝澤が殊勲の決勝打
固まらなかった2番とセカンドを見事に埋めている。17日に4安打で最後はサヨナラを決めたばかりの滝澤が、今度は虎の子の1点を奪って決勝打。ガッチリと定位置確保をアピールする一打となった。
三回2死一、二塁のチャンス。楽天の先発瀧中から、2球目の内角低めのフォークをうまく拾い上げ、力強く振り抜いた打球は、ライトフェンス手前まで運ぶ先制のタイムリーツーベース。この日は1安打のみだったが、値千金の一打となった。スイングの力強さが増し、打球速度がアップして長打も生まれるようになっているのは大きな進化だ。相手投手にとっても、小柄でストライクゾーンが狭い上、小技や足、長打も警戒しなければいけないとなると、厄介な打者となるだろう。
これで1番から西川、滝澤、渡部、ネビンと上位打線が固まりつつある。あとは5番で久々に先発も無安打だったセデーニョが眠りから覚めれば、一段と厚みが増すことになる。この日はわずか4安打で1点止まりと迫力不足だったが、上位以外の奮起も待たれるところだ。
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