新庄監督 西武の”中部移転”提案に波紋

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 日本ハムの新庄剛志監督(53)の発言が波紋を呼んでいる。東スポによると、11日、ロッテとのオープン戦前に取材陣に応対し、西武の「中部移転」を推奨した。

 発端は野球評論家の江本孟紀氏が配信するYouTubeチャンネルで、西武の名古屋への移転を提唱する内容に共感したという。

 移転すべき理由の一つはベルーナドームで、「屋根だけあって夏めちゃくちゃ暑くて、冬めちゃくちゃ寒くて、遠い」と苦言。さらに、ドームに向かうまでに渋滞する可能性があり、かなり早く到着する必要があるようだ。

 なぜ中部地方かというと、名古屋を中心に野球熱が非常に高く、日本の中心に位置するため選手の移動にも適していると言う。中部地方のうち岐阜付近に土地があるとして、「そこに球場作ったらだいぶ選手たちも楽になる」と語った。

【日本ハム】新庄監督が西武の「中部移転」を提言 ベルーナドーム「暑くて寒くて遠い」 | 東スポWEB
西武は中日と共存がベスト!?日本ハムの新庄剛志監督(53)が11日、ロッテとのオープン戦前に取...

 これについて結論から言えば、現実的には一考の余地もない荒唐無稽な提案だ。西武が親会社である限り、東京、埼玉を走らせる西武鉄道とは無縁の中部地方に移転する利点がない。1978年、九州から埼玉・所沢に拠点を移して47年。2008年からはチーム名に「埼玉」を冠し、地元密着の球団を目指してきたはずだ。交通の利便性から県営大宮公園野球場への移転を求める声もあるが、チームとして経営的判断は難しいだろう。

 一方、新庄監督が発言した最大の意図は、ベルーナドームの環境への強い改善要望ではないか。1999年にドーム化され、夏が暑く、冬は寒いのは長年の課題に。選手やファンにとっても死活問題だ。特に夏は「サウナ状態」「換気の悪い体育館」との声も上がり、酷暑が際立つ近年は熱中症など体調不良者が出る事態となっている。

 株式会社西武ライオンズの公式サイトによると、ベルーナドームについて次のように紹介される。

 既存の野球場にそのまま屋根を架けるという、世界で初めての工事を行い、1999年、日本で5番目のドーム球場は『屋内屋外中間型』というこれまでのドーム球場の概念を打ち破る、新しいコンセプトのもとに誕生しました。

 自然豊かな周辺環境と半ドームという特性を活かし、屋根の外側の広がりを有効に活用することで、開放感に満ち溢れ、四季折々の風情が楽しめるボールパークを目指し、2021年3月には約3年かけて進めていた大規模なドームエリアの改修工事が完了し、あらゆる人々にお楽しみいただけるボールパークに生まれ変わりました。

 このように他にはない個性があり、4年前には大規模改修が完了してボールパーク化は進み、魅力は増した。ただ、暑さ寒さの根本的な問題は残る。完全に密閉型にするのか、屋根を外すのか。いずれも資金的に相当厳しいだろう。現場であらゆる対策は練っているはずだが、FAによる選手の流出防止や集客力向上も去ることながら、温暖化が止まらない中で選手生命にも関わる喫緊の課題で、解決は難しくても改善は待ったなしだ。

 

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