支配下登録の黒木優太投手とは

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 西武は25日、いずれも育成選手で、元オリックス、日本ハムの黒木優太投手(30)と元ソフトバンクの仲田慶介内野手(25)と支配下選手契約を結んだと発表した。背番号は黒木が「54」、仲田が「00」。ともにパ・リーグの他球団から今季加入して再起を目指し、春季キャンプからアピールを続け、オープン戦で結果を残して1軍出場の権利を勝ち取った。

 今回は、黒木優太投手とはどんな選手なのか、プロ生活9年の歩みを紹介する。

黒木優太投手、仲田慶介選手と支配下選手契約を締結 | 埼玉西武ライオンズ
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1年目に55登板25Hも先発転向で暗転

 右投げの黒木は神奈川・橘学苑高から西口文也監督と同じ立正大に進み、速球を武器として2016年ドラフト2位でオリックス入り。背番号54は、ロッテで活躍した同姓の黒木知宏氏に憧れて同じ番号を選んだ。1年目の17年から55試合に登板し、防御率は4・22ながら、6勝3敗2セーブで25ホールド、31ホールドポイントと活躍した。持ち味の150キロ超の速球は「火の玉ストレート」とも称された。

 だが、1年目がこれまでのプロ生活のキャリアハイに。2年目の18年は39試合に登板も防御率4・50で1勝1敗と成績が降下。先発転向を目指した19年に暗転した。開幕前に右肘内側靱帯の炎症が判明し、同年にトミー・ジョン手術を受けるなどして育成契約となった。

再起の兆しも2度の戦力外

 20年にはリハビリを経て再び支配下登録に。22年には27試合に登板して2勝2敗5ホールド、1セーブで防御率2・36と復活の兆しを見せた。翌23年に再び先発に転向すると、結局先発は4試合で中継ぎの8試合を含めて1勝5敗で防御率6・58と低迷。同年に吉田輝星とのトレードで日本ハム入りが決まった。新天地となった昨年も7月に1軍登録も出場2試合にとどまり、再び戦力外通告を受けた。

三度目の正直なるか

 同年秋に西武が育成契約。キャンプからアピールを続け、オープン戦では5日の日本ハム戦、9日の楽天戦、16日の中日戦、22日のDeNA戦の計4試合に登板して5イニングを被安打1、6奪三振で無失点とほぼ完璧に封じた。今季厚みを増した中継ぎ陣にあって、文句なしの支配下登録となった。

 黒木は「素直にうれしいが、すぐに開幕なので気を引き締めていきたい」と言う。豊田清投手コーチを中心に薫陶を受けてきたといい、「これで終わりではなく、ここからがスタート。満足せずにより一層がんばって欲しい」との言葉を心に留める。「1年間しっかり戦い抜いて、終わったあとにはみんなで笑えるようにしたい」とコメントした。

 西武は今季、平良海馬がリリーフに回り、新外国人2人もオープン戦で戦力としてめどが立ち、ホープの左腕羽田慎之介が台頭し、昨季加入の甲斐野央も復活の気配が漂う。競争力は高まっただけに、まずは早いイニングやリードされた場面からチャンスをもらい、コツコツと信頼を勝ち得たいところだ。

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